機関投資家(プロ)なら全員が熟知しているが、個人投資家にはあまり知られていないという重要なイベントが存在します。それがSQ(特別清算指数)です。
プロたちが巨額の資金を動かすルールを知らないまま相場に挑むと、金曜朝の突然の乱高下に巻き込まれ、思わぬ損失を出しかねません。この記事で、生き残るための最低限の知識を身につけましょう。
SQは「強制決済のタイムリミット」
先物やオプション取引には「満期(期限)」があります。その期限が来た時に、持っているポジションをその瞬間の価格で強制的に清算するための基準値がSQです。
- いつ決まる? → 毎月第2金曜日の朝9時ちょうど。
- どう決まる? → 日経平均採用225銘柄すべての「始値」を元に計算される。
- なぜ荒れる? → プロたちが自分に有利な価格で決済しようと、現物株に巨大な注文をぶつけ合うから。
2026年のSQカレンダー
特に3・6・9・12月は「メジャーSQ」と呼ばれ、市場が最も激しく動きます。
| SQ算出日(第2金曜) | 区分・備考 |
| 1月9日 | マイナー:年始の需給整理 |
| 2月13日 | マイナー:【直近】決算発表後の攻防 |
| 3月13日 | メジャー:年度末の最重要ポイント |
| 4月10日 | マイナー:新年度の入り口 |
| 5月8日 | マイナー:連休明けのポジション調整 |
| 6月12日 | メジャー:中間決算前の重要節目 |
| 7月10日 | マイナー:夏枯れ前の需給確認 |
| 8月14日 | マイナー:お盆休み中の乱高下注意 |
| 9月11日 | メジャー:配当取りに向けた動き |
| 10月9日 | マイナー:秋のトレンド転換期 |
| 11月13日 | マイナー:年末に向けたポジション構築 |
| 12月11日 | メジャー:年内最終の巨大イベント |
手動で登録する場合は、「SQ」などのタイトルで「毎月第2金曜日」に繰り返し設定しましょう。
一括登録したいなら、スマホのブラウザで「2026 SQ ics」と検索し、公開ファイルをダウンロードして「カレンダーで開く」を押せばOK。
特に「半導体銘柄」はSQで株価が激しく動く
レーザーテックや東京エレクトロン、アドバンテストといった半導体主力株は、日経平均株価への影響(寄与度)が非常に高い銘柄です。
プロの投資家が「日経平均(指数)を動かしたい」と考えたとき、これらの銘柄を大量に売買するのが最も効率的だからです。
SQ当日の朝、自分の持ち株が理由もなく急騰・急落しているなら、それは「指数を動かしたいプロの都合」である可能性を疑いましょう。
SQを「高くしたい人」と「安くしたい人」はどんな人?
SQの寄り付き前は、自分たちの利益を守るための激しい殴り合いが起きています。
| 勢力 | 狙いと背景(持っているポジション) |
| 高くしたい勢力 | 「高いと儲かる」先物の買いや、コールの買いを持つプロ達はSQ値を吊り上げたい。 |
| 安くしたい勢力 | 「低いと儲かる」先物の売りや、プットの買いを持つプロ達はSQ値を押し下げたい 。 |
寄り付きで無理やり価格を動かした結果、SQ値だけがその日の高値や安値を飛び越えて(異常値で)決まり、直後に株価が元に戻る現象が起こることがあります。
この現象は「幻のSQ」と呼ばれますが、この瞬間の値動きを「トレンド」だと勘違いして飛び乗るのは非常に危険ですので注意しましょう!
SQ値で「その月が強いか・弱いか」も測ることができる
決まった後の「SQ値」には、その後の相場の強弱を測る物差しの役割もあります。
- その日の終値がSQ値を上回って引けた場合 ⇒ 強気相場↗
- その日の終値がSQ値を下回って引けた場合 ⇒ 弱気相場↘
「SQが終わって一安心」ではなく、「SQ値に対して今の株価は上か下か」をチェックすることで、その月の立ち回りが明確になります。
SQのココだけは押さえておけ!
個人投資家目線での重要ポイントについておさらいです。「SQ」という嵐に巻き込まれないための生存戦略は大きく3つです。
- 「魔の水曜日」を警戒する: SQ直前の水曜日は、プロのポジション乗り換えで株価が急変しやすい日です。
- 朝9時15分までは動かない: 寄り付きの異常な動きは、プロの「事務作業」によるものです。15分待って需給が落ち着いてからが本当の戦場です。
- 「休む」のも立派な戦略: 特にメジャーSQ週は、無理にポジションを持たず、現金比率を高めて嵐が過ぎるのを待つのも賢明な判断です。
おまけ:楽天証券ツールの事前設定
プロの動きを予測するために、手元のツールを整えておきましょう。
■ マーケットスピード2(PC版)
- 過去のSQ値を確認:
[投資情報]>[時系列情報]>[先物OP]> 種類を[SQ値]に変更。 - 売り圧力を予測:
[マーケット]>[指数一覧]>[設定]から[裁定買い残・売り残]を追加。買い残が多いと、SQ当日の下落圧力が強まりやすくなります。
■ iSPEED(スマホ版)
- 銘柄の過熱感を見る: 個別銘柄画面 >
[市況]>[信用残高]をチェック。信用買いが溜まっている銘柄は、SQでの投げ売りが出やすいので注意です。

